校長先生のお話
11月の言葉
新たな可能性の芽を確かなものにするために―家庭・地域の協力のもとに―
季節ごと彩り変へて輝ける 木の葉舞ひ散る冬芽残して( 静 雲 ) |
季節の中で、命を輝かせた木々の葉が寒風の中に舞い散っております。
春には、芽吹き、青々とした新芽を輝かせ、爽やかな命のはじまりを感じさせ、
夏には、灼熱の太陽に照らされて、緑濃くたくましい成長を見せてくれ、
そして、秋には、黄色や紅色、オレンジと見事な紅葉を楽しませてくれました。
このように、子どもたちと共に過ごした木々たちの葉が、寒風に舞いゆく季節を迎えております。
校庭の桜の木の葉っぱたちは、季節ごとに輝き、その時々の彩りとともに、気づき見る人たちの心を和ませてくれています。
そして今、その葉っぱたちも、その年の仕事を果たし、見事に舞い散っております。
本校の子どもたち161名も、季節折々に輝く自然の姿を、目で見て、その葉を拾いながら手で触れ、肌で感じ、短歌・俳句、川柳や詩に表現できるようになるなど、目覚ましく成長し、逞しさと共に繊細さも身につけてきています。
子どもたちは、学習活動の充実と共に、年間を通して休み時間ごとに開催されている校長室での【表現教室】にも、絶え間なく参加しています。感じたこと、考えたことを思い思いに短歌や俳句に素早くまとめていく子どもたち。中には、自作の短歌・俳句を詩にしてみたいという子もいます。そして、実際に作ることができるようになっているのです。実に素晴らしいことであります。
こうした子どもたちを育てているのは、学級における1時間1時間の授業の充実であり、各家庭並びに地域の皆様方の温かな協力であります。温かく優しさあふれる地域における体験活動の充実に負うところが大きいと受け止めております。
季節の中で輝きを放ち、1年間の仕事をきっちりと為し終えて散りゆく木の葉たち。散りゆくその枝々には、来るべき春に芽吹くであろう冬芽がしっかりと息づいています。本校の子どもたちも、この1年の成長には目を瞠るものがある。【できること・得意なこと】を自ら確実に伸ばしています。
葉を落とした木々の枝々が、次の新たな芽吹きに向かって冬芽を育むように、子どもたち一人一人も、新たな可能性の芽を育んでいます。その芽を、より確かなものにするために、学年としての締めくくりを大切にしていきたいと思っております。
(2013.11.29)